イトウ保護連絡協議会

Japanese Huchen Conservation Network

陸上自衛隊矢臼別演習場の砂防ダム問題

別寒辺牛川水系トライベツ川スリットダム夏季視察報告

視 察 日:2007年8月20日
参 加 者:16名(紙智子参議院議員をはじめ、別海町議会議員、厚岸町議会議員の参加を得ました。)
目  的:矢臼別演習場内の別寒辺牛川水系トライベツ砂防ダムのスリット化後、冬季(2月16日)視察に続き、夏季視察による現況確認を行った。

まとめ

 夏季のせいか、水量は少ない。水温は16℃と高いが、本来の川幅近くでは15℃と下がっていた。スリットが入ったことで、上流は池がなくなり、植物が進入している。上流域に横工を施工しなかったことが、よい結果を出しているように思える。
 下流域は、川筋がなく、浅い池になっている。川の両岸のコンクリート壁と布団籠さらに横工の存在が川の流れにどのような影響を与えているかが気になる。
 来年は、イトウの遡上時期の現況を視察するとともに、夏の視察を継続する必要があるとの意見が出され、実施する方向で計画している。

道東のイトウを守る会

文責:田中明子
写真:飯田弘己
作図:元内孝義

▼トライベツ川スリットダム

下流側からダムを見る。右の山は魚道を覆土し、芝を張ったもの。 下流からスリット部分を見る。土砂が堆積している。水温は16℃。
ダム堤から下流・スリット直下を見る。左側は魚道跡。 ダム堤から上流を見る。スリット前は池のように水が溜まっていたが、スリット後は川筋がはっきりし、植物で覆われている。
ダム堤から下流を見る。土砂堆積横工2箇所がある。川幅2mの蛇行を導いているが、水深30cm弱の池状になっている。両川岸には布団籠。樹木に覆われている川ではヤマベが数匹目視できた。 同じく上流を見る。
当初計画では、上流にも横工が3箇所予定されていたが、検討委員会委員の意見で、横工は作られなかった。
ダムを背に上流を見る。 上流からダムを見る。水深20cm弱。
上流からスリット部分を見る。長靴でも入れない深さ。大きな石が露出している。流れは、前方の堆積土砂にぶつかり、左右に分かれている。流れの勢いは、左(魚道跡)方向に強い。 さらに上流を見る。