イトウは今まさに激減し絶滅の危険にさらされています。

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第1回風蓮川砂防ダム視察を終えて(視察報告)

視 察 日:2005年8月19日
視察箇所:風蓮川残流第2号ダム(S62)
     風蓮川残流第3号ダム(S61)
参 加 者:24名
     当会員の他、別海町民を含め道内外から参加。報道は2社参加。

目  的: 矢臼別演習場内の風蓮川水系の砂防ダムは、1986年(S61)から建設され現在13基が設置済。三郎川第7号ダム(H15〜H17)が建設中で、さらに5基の計画がある。既設の全てのダムを視察することでダムによる影響、イトウの生息可能性を見極め、さらに、イトウの生息環境を取り戻すための具体的対策を考えたい。今回は、最初に造られた2基を視察した。

【視察報告】
 今回の視察には、イトウに詳しい道立水産孵化場の川村洋司主任研究員、東京農大大学院の笠井文考さん。さらに、植物学の神田房行北海道教育大学釧路校教授が参加され、適宜なアドバイスをいただいた。


▼風蓮川残流第2号ダム地図番号2) 堤体の高さ9.5m、長さ28.5m

 貯水池は泥状で土砂の堆積は270cm。3号ダムよりはるかに多い。下流は、ダム直下から、川底・両岸ともに、小さな布団かごが数メートルにわたって敷設されている。このため、水の流れは見えない。

川 幅:58cm
中心水深:4cm
水 温:上流16.4℃、下流18.3℃
魚 類 等:タモ網により調べたところ、確認されたのは、ウグイ・エゾトミヨ


▼風蓮川残流第3号ダム地図番号1) 堤体の高さ7.5m、長さ52.5m
 このダムは、本流から300m弱に位置し、貯水池には水草が形成され、比較的良好。深さ6cmの川底を足でかくと泥が舞い上がった。川の両岸は草木に覆われている。

川  幅:150cm
中心水深:6cm
水  温:17.9℃

魚 類 等:タモ網により調べたところ、確認されたのは、スジエビ・アメマス・ヤマメ・ウグイ・カワシンジュガイ

▼まとめ
 両ダムともに小さな川に巨大なダムを造ったという点で、トライベツ川ダム(別寒辺牛川水系)と構図は同じ。必要の無いダムである。初期に造られたダムであるから、当然魚道はない。川・周辺環境も含め、2号ダムはあまりに無残。

 このたびの視察報告におきまして、別海町職員の皆さまにご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
 このことを肝に銘じ、事実確認を怠らないよう努めてまいります。

道東のイトウを守る会(文責 田中 明子)

 尚、次回視察は、10月下旬を予定しています。視察箇所は、白鳥川第2号ダム(H2〜H4)と白鳥川第4号ダム(S63〜H元)です。
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