イトウ保護連絡協議会

Japanese Huchen Conservation Network

道東のイトウを守る会

代表:神田房行
所在地:北海道釧路市浦見5-2-4
TEL:0154-41-9126
設立:2003年3月18日
会員数:25名
河川:道東の河川。特に、別寒辺牛川水系・風蓮川水系。

陸自矢臼別演習場内のダム・モニタリング報告



1
06.9.1 玉川第1号ダム
2
05.11.4 白鳥川流域ダム
3
06.5.19 樺沢域2号ダム

 2002年12月、自衛隊矢臼別演習場内、別寒辺牛川水系のトライベツ砂防ダムが新聞で大きく報じられました。湿原の中の巨大なダム。しかも。幻の魚イトウがすむ川に。
 ダムに納得できない有志が集い、2003年3月1日、厚岸で環境フォーラムを催しました。その会場に出席された、山代昭三氏(初代代表)をはじめ、釧路市のメンバーを中心に、ダムに反対し、イトウの生息環境を守る為の会をつくろうと、同年3月18日「別寒辺牛川のイトウを守る会」を設立しました。その後、4月26日に釧路市でシンポジウム「別寒辺牛川のイトウと砂防ダム」を開催。現地視察等を行ってきました。

 2005年、「矢臼別演習場・別寒辺牛川水系土砂流出対策等検討委員会」の最終報告で、イトウ保護への緊急対応として、ダムがスリット化されることが決まりました。そこで、同じ演習場内の風蓮川水系に目をやると、砂防ダムが十数基。5月、当会は名称を「道東のイトウを守る会」と改名しました。

 現在まで、風蓮川水系の14基の砂防ダム(内1基は計画白紙)を視察してきました。初回視察の2基(敝舎周辺3号と同2号)以外のダムはいずれも「湿原の中の巨大ダム」でした。風蓮川水系は別寒辺牛川水系と比べ暗澹たる状況です。2007年北海道防衛局は、本格的なイトウの生息調査を実施しました。その結果、特に3河川に多くのイトウ産卵床が確認され、さらにダム上流域の環境も極めて良好であることが分かりました。このことから、緊急に、ダムの撤去又は改良(スリット化)を要望してきました。2008年7月24日には、北海道防衛局による「第1回風蓮川水系土砂流出対策等検討委員会」が別海町で開催されました。今後、検討委員会の議論に注目したいと思います。別寒辺牛川水系トライベツダムは、2007年1月、スリット化工事が終了し、「トライベツスリットダム」へと改良されました。

 当会では、2007年、2008年の2年間で計5回の現地視察、特に植生調査と川の現況測定を行ってきました。スリット化後、ダム上流は目を見張る程に自然復元されました。しかし、下流は横工という横断工作物により、流れがとどまり、流路が横工の中を通りすぎる状態になりました。このことから、イトウをはじめ中・大型の魚類の行き来は不可能となっています。そこで、2回に亘り、横工等の撤去を求める要望書・質問書を北海道防衛局に出しました。
 2008年11月横工が移設されました。このことで流路が確保されるものと思います。5月22日には、その点を確認するとともに、その他の問題を調べるため現地視察を予定しています。また、8月には、植生調査、川の現況測定を行うため現地に入る予定です。風蓮川水系のダム撤去・スリット化を求める活動も合わせて続けたいと考えています。

(第8回イトウ保護フォーラム2009 in 朱鞠内パンフレットより)


「別寒辺牛川のイトウを守る会」(旧名称)の設立シンポジウム「別寒辺牛川のイトウと砂防ダム」(2003.4.26.開催)についてはこちら