イトウは今まさに激減し絶滅の危険にさらされています。

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第3回風蓮川砂防ダム視察を終えて(視察報告)

視 察 日:2006年5月19日
視察箇所:樺沢第2号ダム(H14〜H15)
参 加 者:22名(うち報道1社)
目  的:矢臼別演習場内風蓮川水系の砂防ダムのうち、比較的新しい樺沢ダムについて、ダムの影響、イトウの生息可能性、川の現況確認、魚道の有用性について視察した。
視察報告:今回の視察には、道立水産孵化場の川村洋司主任研究員の参加を得、適宜なアドバイスをいただいた。


樺沢第2号砂防ダム(魚道あり)地図番号12堤体の高さ:6.2m  長さ:103m

○ダム及び魚道は、別寒辺牛川水系トライベツ砂防ダムと同じ。周囲の自然環境も酷似。ダム上流は湿地で、小川もいくつも流れ込んでいる。川は複雑に蛇行し入り組んでいる。渕や瀬も発達しウグイが群れをなして泳いでいた。川底は礫が多い。

○川 幅:2m〜3m   
○水 温:12℃〜13℃
○魚類等:釣具を使ったところ、上流では、ウグイ・ヤマベ。下流では、ヤマベ・アメマス、他に、大型のカワシンジュガイ。


堤体全景

下流よりダムを見る。右端が魚道。両岸は、数メートルにわたり、布団籠。

ダム上流側

上流の河床は礫が多い。

カワシンジュガイも大きい。

ウグイが数十匹群れていた。

川は複雑に蛇行し、入り組み、
渕や瀬も発達している。

川中は2〜3m、浅く泥が堆積している。

魚道はトライベツダムと同型。

○まとめ
 トライベツ砂防ダムの環境と酷似していることに驚かされた。トライベツ砂防ダム同様、発生源対策(土砂流入を防ぐ)としてのダムとは到底考えられない。
 川村氏が「川の状況は、ふち・瀬が発達し、礫も多く、上・下流ともサケ科の生息環境はとても良い。イトウがいてもおかしくない。」とおっしゃるように、良好な環境が残されている。イトウの生息調査を実施し、ダムのスリット化など早急な対策が必要である。
 次回視察は、7月。視察箇所は、西風蓮川第2号ダム(H8〜H10)、西風蓮川第7号ダム(H10〜H13)、西風蓮川第13号ダム(H12〜H14)を予定している。

道東のイトウを守る会(文責:田中明子、写真:飯田弘己)


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