イトウは今まさに激減し絶滅の危険にさらされています。

| Home | イトウ保護のための宣言 | 加盟団体のご紹介 | イトウ保護連絡協議会とは? |

第5回風蓮川砂防ダム視察を終えて(視察報告)

視 察 日:2006年9月1日
視察箇所:玉川第1号ダム(H2〜H5)
     楓沢第2号ダム(H5〜H6)
参 加 者:19名
目  的:矢臼別演習場内風蓮川水系の砂防ダムについて、ダムの影響、イトウの生息可能性、川の現況確認、魚道の有用性について視察した。
視察報告:今回の視察には、北海道大学大学院(生態環境科学)の野本和宏氏の参加を得、適切なアドバイスをいただいた。


▼玉川第1号ダム 地図番号7 堤体の高さ:8.1m  長さ:129m

○ダムの上・下流は湿地で、川幅・水量ともにある。ダム上流は、プール化している。下流には、アマモ、バイカモが茂る。
○魚道はプールタイプ階段式
○川 幅:3〜4m   水深:約30cm
○水 温:上流(プール)17℃  下流15℃


下流よりダムを見る。ダム堤下部の穴が1ヶ所以外はつまり、流れが悪い。

写真中央上が魚道。左下が魚道と川との合流点。

魚道3本のうち、右端のみ水が流れている。

下流側魚道。堤体下部の魚道の長さ5m。水深がなく、流速も早すぎる。

枝で深さを測る。

上流からダムを見る。黄色いつつの下が魚道。3本のうち1本が通水している。

ダム堤より、上流を見る。水がついたためか、一部立ち枯れしている。
   

▼楓沢第2号ダム地図番号8 鷹さ7.5m  長さ:93m

○魚道は無い
○ダムの上・下流は湿地で、川幅・水量ともに良い。上・下流とも川は蛇行し、瀬や渕も発達し、川底は礫が多い。
○川 幅:2〜3m   水 温:17℃   水深:20〜30cm
○魚類等:釣具を使ったところ、ヤマベ・イワナ

下流よりダムを見る。

下流よりダムを見る。

川は蛇行し、瀬や渕も発達し、川底は礫だった。

釣糸を投げてすぐ型の良いヤマベが釣れた。

ダム堤より上流を見る。

更に上流を見る。大きく蛇行している。

まとめ

 視察当日前の2日間、雨が降ったとのことだが、水に濁りはほとんどない。前回同様「湿原の中のダム」である。川幅・水量・川底の礫の状態など。イトウの生息環境としては、極めて良好である。しかし、玉川第1号ダムの魚道は、堤体下部の水深がなく、5mと長いうえ、流速も早すぎ、イトウが行き来するのは困難である。構造上の欠陥と言える。更に、楓沢には、魚道もない。両ダムともに、スリット化など早急な対策が必要である。次回は、10月。視察箇所は、西風蓮川第2号ダムを予定している。

道東のイトウを守る会(文責:田中明子、写真:飯田弘己)


制作・著作/イトウ保護連絡協議会
(C) 2002-2006 Japanese Huchen Cnservation Network. all rights reserved.