イトウは今まさに激減し絶滅の危険にさらされています。

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第8回風蓮川砂防ダム視察を終えて(視察報告)

視 察 日:2006年11月17日
視察箇所:三郎川第1号ダム(H16〜H18)
     三郎川第6号ダム(H18〜 )
     三郎川第7号ダム(H15〜H17)
参 加 者:17名
目  的:矢臼別演習場内風蓮川水系の砂防ダムについて、ダムの影響、イトウの生息可能性、川の現況確認を行った。
視察報告:今回の視察には、北海道大学大学院(生態環境科学)の野本和宏氏の参加を得、適切なアドバイスをいただいた。


▼三郎川第1号ダム 堤体の高さ:5.1m  長さ:120m 魚道無(水量不足の為)

○川 幅:上流 80〜90cm 下流 80cm
○水 深:上流 44cm 下流 24cm
○水 温:上・下流ともに4℃
○魚類等:電気ショッカーを使ったところ
上流〜フクドジョウ
下流〜フクドジョウ、ニジマス
○ダムの上・下流は湿地で、これまでの視察ヶ所と異なり、泥炭層からなる。上流は、特に川幅・水量とも良く、湧水もみられる。

 


下流よりダムを見る。


ダム下流の川。

更に下流の川。 ゆるやかに蛇行している。

上流側の丘よりダムを見る。

さらに上流。泥炭層の湿地。

ダム堤より上流を見る。

▼三郎川第6号ダム(堤体未着工) 堤体の高さ:5.98m  長さ:32.89m

○川 幅:上部 30〜40cm 下部 110cm
○水 深:29cm〜48cm
○水 温:5℃
○魚類等:電気ショッカーを使ったところ
イバラトミヨ、ヤマベ(4cm〜14cmまで10匹)、ニジマス稚魚、ニジマス、フクドジョウ

○工事中の取り付け道路が途切れた所。先には、谷地坊主が広がる湿原。そこに「三郎川第6号砂防ダム」の予定地がある。 胴長をはき、川を歩き調べる野本さん。遅れまいと歩くも、そこは湿原。何人かは、ズボッと膝まで足をとられる。そこへ丘陵の林地に抱きかかえられるように開けた湿原が視界に入る。川幅は1メートルくらいか。澄み切った川面の底は礫。イトウがいるかもしれない。気配を皆が感じ取る。
 別寒辺牛川水系トライベツ川も、風蓮川水系の白鳥川・玉川・楓沢・樺沢・西風蓮川・熊川、そして三郎川支流。砂防ダムがつくられた所は、全てこうした湿原であったのだと想いをはせる。今日まで、湿原の中にダムを造り続けてきた。湿原は、それ自体が水を涵養する。貯水池・遊水地の役をになうというのに。


ダム建設の為取付道路工事中。(7月着工)距離は1km。

ビニールシート部分が道路終点。

道路終点の対岸から見る。参加者は別海町の説明を受ける。

上部の川幅は30〜40cmしかし下部は110cmある。川底は砂利。

川幅は広くなったり、狭くなったりと変化に富む。

ゆったりと蛇行し、瀬や渕も発達している。川底は礫。

第6号砂防ダム建設予定地。

一面の谷地坊主。
 
▼三郎川第7号ダム 堤体の高さ:6.2m  長さ:137m 魚道無(水量不足の為)
○川 幅:下流 60cm
○水 深:下流 19cm
○水 温:8℃
○視察時間が極めて少なく、上流は計測できなかった。魚類を調べることもできなかった。
○現況は、1号ダムと同じ。

下流よりダムを見る。

ダム堤横より上流を見る。
 

上流よりダムを見る。

下流の川。
 

○まとめ
 初めてダムの無い、予定地を見ることができた。小規模ながら豊かな湿原がひっそりと残されていた。
 今回で、風蓮川水系の砂防ダム16基のうち、視察対象と考えていた14基を見終えることができた。
 最後に、2年にわたり、演習場立入を許可して下さった、別海駐屯地業務隊の皆様に感謝いたします。また、視察に同行され、ご説明くださった別海町役場建設部事業課の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。

道東のイトウを守る会(文責:田中明子、写真:飯田弘己)


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