イトウは今まさに激減し絶滅の危険にさらされています。

| Home | イトウ保護のための宣言 | 加盟団体のご紹介 | イトウ保護連絡協議会とは? |

2006年8月7日

防衛施設庁長官殿
防衛施設庁札幌防衛施設局局長殿
別海町町長殿

矢臼別演習場内風蓮川水系砂防ダムの撤去・改修に関する要望書

道東のイトウを守る会(代表 小林聡史)

 「道東のイトウを守る会」は道東地域のイトウ及びその生息地としての健全な自然環境保全を目指して活動を行ってきました。関係各位によるこれまでの絶滅危惧種イトウ及びその生息環境への配慮に敬意を表します。
 当会が中心となって関心を持つ北海道内の環境NGOや専門家に呼びかけ、これまでに風蓮川残流第2号ダム・第3号ダム(2005年8月19日)白鳥川第2号ダム・第4号ダム(同11月4日)樺沢第2号ダム(2006年5月19日)西風蓮川第7号ダム・第13号ダム(同7月28日)の現地視察を行ってきました。
 同じく矢臼別演習場に位置する別寒辺牛川水系では、検討委員会を立ち上げ、既にトライベツダムにスリットを入れる改修を行うことが決定されております。風蓮川水系においてもイトウの生息が確認されています。これまで産卵・稚魚が確認されており、絶滅危惧種イトウの世代交代が間違いなく行われていることになります。これまで視察が行われたダムの上流や下流においても、専門家によってイトウが確認されています。
 イトウにとって魚道が機能していないダム、魚道が付いていないダムではイトウの遡上が見られないこともわかっています。
 これらの現状を踏まえて、当会では以下の対応を考慮していただくことを緊急な課題として求めます。

1. 風蓮川水系における三郎川流域第6号ダムをはじめとして、今後の新規ダム計画の即時中止。

2. 風蓮川水系における既存のダムの撤去・改修の検討。

3. 以上と同時に、イトウの生息調査及び自然環境全般について綿密な調査を実施すること。

 本年に発行された国際自然保護連合のレッドリストでは、イトウが絶滅危惧種としては危険度が最上位である「絶滅の危険性が極めて高い」(CR:Critically Endangered)として記載されました。日本国政府としても、また、2005年にはラムサール条約湿地として「風蓮湖・春国岱」及び「野付半島・野付湾」が指定されたことにより、行政区域内に2箇所の国際的に重要な湿地を有する町となった別海町においても、イトウとその生息地の環境保全は国際的な責務となっております。今後とも一層のご尽力をお願い申し上げます。

本要望書に関する連絡先
道東のイトウを守る会事務局

制作・著作/イトウ保護連絡協議会
(C) 2006 Japanese Huchen Cnservation Network. all rights reserved.